第一回キャラクター人気投票結果―7位―







ラウル「さてさて始まりました、
    『つぶやきの塔』一周年記念企画キャラクター人気投票の結果発表でーすっ!!
    司会は俺、皆のヒーロー、チャームポイントは赤毛☆のラウル・ウェルズと」

修啓 「実験なら僕にお任せ。天才サイエンティスト高槻修啓がお送りします」

ラウル「おまえは天才というか、マッドサイエンティストって感じだけどな」

修啓 「さてさてー、昨年の10月から今年の2月まで行った人気投票。
    たくさんの投票ありがとうございましたー!」

ラウル「なんか流された気もするけど、まあいっか。
    ホントにありがとうな、皆☆」

修啓 「誰に票が入ったのか、僕らも毎日ドキドキしながら見てたんだ。
    でも、まさかこんな結果になるなんてね」

ラウル「そうだよな、柏緒も驚いてたぜ」

修啓 「とまあ、僕たちは結果を知っているんだけど、入賞者は結果知らないんだよね」

ラウル「だ・か・ら、これから突撃訪問して脅かしてやろうぜ!!って企画なわけ」

悠人 「はあ、まあ趣旨は理解できましたけど、脅かすって」




【沈黙】




ラウル「……はい?」

悠人 「あ、どうも」

ラウル「いやいや、どうもじゃなくて、あんた誰?」

悠人 「えっ、いや誰って!何、修啓さん説明してないの!?」

修啓 「ごめーん、うっかり忘れちった☆」

ラウル「だー!おまえが可愛い子ぶっても、可愛くもなんともねえ!
    てか、いっそ気持ち悪いからやめろ!!」

修啓 「何言ってるんだい、失礼だな。こんなに眼鏡の似合う僕に向かって」

ラウル「眼鏡と可愛さ、関係ねえっ!!」

悠人 「あのー、そろそろオレの紹介を……」

修啓 「ああ、ごめんね。ラウルが馬鹿ばっかしちゃってさ」

ラウル「オレなのか!オレのせいなのか!!」

悠人 「……オレ、これからこの人たちとやっていけるのか?」

修啓 「とにかく、サクッと紹介して、サクッと先に進もうか。
    彼は高2の悠人くん。『Little-boy Long Legs』の登場人物で、名字は」

悠人 「ああーっ!!それは言っちゃ駄目ですってば!ネタバレするって言ったじゃないですか!!」

修啓 「そういえばそうだったね。あっははー、ごめんねー」

悠人 「もう帰りたい」

修啓 「ほら、今回は僕らグリムだけじゃなくて、彼らも関係するからさ。
    助っ人として呼んでおいたんだ」

ラウル「ああ、なーるほど。じゃあ悠人、今日は一日よろしく頼んだぜ。
    オレはラウル・ウェルズ。18歳高3☆」

悠人 「……はい?すいません、もう一度いいですか」

ラウル「ん、今日は一日」

悠人 「じゃなくって、もっと後の!高3?嘘じゃなくて?」

ラウル「んー、何を失礼な。俺は正真正銘の18歳高3だぜ」

悠人 「嘘だろ、あの人と同い年……世界には知らないことがたくさんあるんだな」

ラウル「現実逃避するんじゃねえよ!!」

修啓 「まあ、ラウルが高3だってすぐにわかった方がおかしいでしょ。
    ほら、二人とも遊んでないで、さっさと進めるよー」

ラウル「おまえにだけは言われたくねえよ!!」

修啓 「さて、最初のターゲットは……」

悠人 「いやいや、ターゲットって」

修啓 「おっと、いきなり二人いるね。じゃあ順番に召喚しようか」

悠人 「だから、召喚って何かおかしくないですか!!」

修啓 「それでは第7位、樹さん召かーん!」

悠人 「はいいぃぃいっ!?」




【爆発音】




樹  「……は?」

ラウル「あ、銀髪銀目のちょい悪そうなイケメン登場」

悠人 「よりにもよって……」

修啓 「はいはい、というわけで第7位、2票獲得の樹君でーす!!」

悠人 「こいつが第7位って、それでいいんですか!!」

ラウル「いや、俺に言われても」

樹  「おい、てめえ」

悠人 「うおっ!!いいい、樹!?」

樹  「ビビってんじゃねえよ。なんだここは。
    てか、この赤毛のチビと変な眼鏡は誰だよ。説明次第ではただじゃおかねえぞ」

悠人 「えっとだな、これには深ーい訳があってだな」

修啓 「やっほー、はじめまして樹君!僕は天才サイエンティスト、高槻修啓だよー。
    今回は第7位おめでとう!」

樹  「は?」

修啓 「いやあ、しかし健闘したよね。登場は一番遅かったのに第7位なんてさ。
    やっぱりあれかな。君のかわいさが勝因だったのかな」

樹  「なっ!?てめえ、何気持ち悪いことを!!」

修啓 「まあ、落ち着いて落ち着いて。はい、これ」

樹  「なんだよ、それは」

修啓 「第7位の賞品だよ。たしか中身はロッ○の限定チョコレートだったかな」

樹  「ロッ○の限定チョコレートだと!?」

ラウル「あ、食い付いた」





樹  「はっ!ち、違うっ!違うからな!!オレはそんなもんほしくも何とも……」

修啓 「そうなの?それならこれは僕らで美味しく頂いて」

樹  「あ、待て!!」

修啓 「何?いらないんでしょ、君」

樹  「うっ」

悠人 「あー、樹。いい加減あきらめろよ?今更隠しても通用しないと思うぞ。
    おまえ昔からロッ○のチョコレートには目がないだろ?」

樹  「て、てめえ、何適当なことを!!」

悠人 「うおっ、ちょい待ち!!首、首絞まってる!!」

樹  「てめえの首なんて知るか!!」

悠人 「少しは気にしろよ!!」

修啓 「君たち仲良しさんだったんだね☆」

樹  「適当なこと言ってんじゃねえよ!!」

悠人 「というより、助けてくださいよ修啓さん!」

ラウル「でも、ホントに仲良しに見えるぞ、おまえら。昔からの知り合いみたいだしな」

樹  「うるせえよ、チビ!!」

悠人 「樹、一応この人高3だから」

修啓 「とにかく、君チョコレート好きなんだろう?素直になりなよ。ね?」

樹  「っく、わかった、認めればいいんだろうが。
    ああそうだ、オレはチョコレートが好きだ。なんか文句あるか」

修啓 「はい、よくできました☆」

樹  「くそ、これで気は済んだだろ。早くそれを寄こして帰らせろ」




【空振り】




樹  「てめえ、一体何のつもりだ」

修啓 「まあまあ、落ち着いて。このチョコレートはね、七位に入賞した君のために、
    わざわざ特別に復刻してもらったものなんだよ」

樹  「だっから、何が言いたい!!」

修啓 「つまりはね、君に投票してくれた人に、
    お礼のメッセージの一つや二つくらい残してもらわないとねってこと」

樹  「……帰る」

修啓 「いいの?これ本当にレアで、他では絶対に手に入らないよ」

樹  「……チッ、わかった。やればいいんだろうが、やれば!!」

修啓 「そうそう、偉い偉い」

悠人 「あの樹を言いくるめるなんて、修啓さんって」

ラウル「あいつの頭の中は俺でもわからねえから、気にしないほうがいいぜ」




樹  「あー、くそっ!その、なんだ。今回は、投票してくれて、サ、サンキューな。
    これからも、その、応援頼む……」




修啓 「はい、よくできました☆」

樹  「くそ、オレにこんなことやらせやがって!!もうやったからな。
  帰る、オレはもう帰るからなっ!!」

ラウル「ああ、おまえあれな。ちょっとカルシウム不足だな。
    ほれ、これ賞品のチョコレートと煮干な」

樹  「にっ!?」

悠人 「ラウルさん、またこいつの神経を逆撫でするようなことを」

ラウル「あー、だいじょうびだいじょうび。この手のタイプ、身近にいるしさ
    竹刀出てこないだけマシマシ☆」

悠人 「どんな人ですか、その人!!」

樹  「ちっ、もういい。帰るっ!!」




【地面を踏み締める大きな音】




ラウル「あーあ。帰っちまった」

修啓 「それでも、あの状態でチョコレートだけでなく煮干までちゃんと持って帰るなんて。
    彼、案外律儀なんだね」

悠人 「まあ、見た目より律儀ではありますけど。
    あいつをからかうのはホントに勘弁してください。オレの命が持ちません」

修啓 「まあ、終わったことは気にしないの。次行こう、次!」

悠人 「流さないでください!!」

ラウル「あー、そいつに一々突っ込んでると疲れるから、お勧めはしないぞ」

悠人 「オレだって好きで突っ込んでるわけじゃないですよ!」

修啓 「えーと、次は……。
    うーん、これはここにいるメンバーだと迎えるのが難しいかもね」

ラウル「は?どういう意味?」

修啓 「うーん、そうだな。あ、そっか。そうしたらいいんだね。
    さすが僕。大天才☆」

悠人 「あのー、自己完結しないで頂きたいのですが」

修啓 「それでは同じく第7位、紫藤朱雀さん召かーん!!」




【キラキラ】




朱雀 「えっ?」

慧  「ん?」

ラウル「け、慧姉!?」

悠人 「紫藤朱雀!?」

修啓 「朱雀さん、朝都隊長、こんにちは。お久しぶりです」

朱雀 「おかしい、オレは収録の最中だったはずなのに、なんでこんなところに。
    夢か?本番で居眠りしちゃたのか、オレ!?」





慧  「朱雀、鬱陶しいから現実逃避をするな。
    それで修啓にラウル。一体これはどういうことかな」

悠人 「それより、なんでこんなところに紫藤朱雀さんがいるんですか!?」

ラウル「あれ、悠人は朱雀兄のこと知ってるの?」

悠人 「あたりまえじゃないっすか!!紫藤朱雀といえば超有名人ですよ。
    知らない方がどうかしてます」

朱雀 「なんだろう、夢の中なのにオレのこと褒めてくれてるよ。
    でも、夢ってことはこれがオレの願望?うわー、複雑だ」

慧  「言葉を返すようだが、これは夢じゃないぞ。
    どうやら私たちは特殊イベントのために、狭間の世界へ召喚されたようだな」

朱雀 「……おまえ真顔で当然のようにそういうこと言うなよ。
    オレはこれでも一般人なんだからさ」

慧  「おまえは有名人だろ?な、ヘタレかっこいいの紫藤朱雀」

朱雀 「その呼び名はやめてくれ」

ラウル「なあ、おまえが慧姉呼び出したのって……」

修啓 「ああ、もちろんこのためだよ。さて本題に入ります。
    朱雀さん。あなたはこの間行われた人気投票で、2票獲得して第7位でした。
    おめでとうございます!」

朱雀 「……何の人気投票?」

修啓 「さて、細かいところは一先ず置いておいて」

朱雀 「細かくないよね。大事なところだよね!」

修啓 「もう朱雀さん。悩んだら負けです、禿げますよー」

朱雀 「禿げっ!?」

慧  「まあいいじゃないか、朱雀。せっかく7位になったんだ。
    ここは素直に喜んでおけ」

朱雀 「慧……おまえ、楽しんでるだろ」

慧  「当然。こんなおもしろい事態を楽しまなくて、何を楽しむんだ?」

朱雀 「おいっ!!」

悠人 「朱雀さんって、本物もいじられキャラなんだな」

ラウル「テレビでもそうなんだ、朱雀兄」

修啓 「さて、このままだと収拾つかなくなりそうだし、そろそろ飽きてきたし、
    まとめに掛かろうか」

悠人 「今、本音漏らしましたよね」

修啓 「それでは朱雀さん、投票してくれた方へのお礼のメッセージをお願いします」




朱雀 「やあ、こんにちは。紫藤朱雀です。オレへのファンレター、ありがとう。
    すごく嬉しかったよ。まだまだ未完成なオレだけど、
    これからも日々精進を目指して頑張るので、応援よろしくな」




ラウル「さすがスーパーアイドル。カメラ目線な上、慣れてるな」

修啓 「まあそういうことで、これは7位の賞品のロッ○の限定チョコレートと煮干です」

朱雀 「それは暗に、オレにカルシウムが足りていないってことかな」

修啓 「いえ、単なる余りものです」

悠人 「余りものだったんですか!?」

修啓 「ほら、細かいことは気にしちゃ駄目だよ。とにかく用はこれだけです。
    朝都隊長もわざわざお呼び立てしてすいませんでした」

慧  「いや、久しぶりに朱雀で遊べたし、気にしてないよ」

朱雀 「慧!!」

慧  「おっと間違えた。朱雀と、だったな」

ラウル「相変わらず、慧姉の方が強いのな」

慧  「さあ、それでは帰ろうか。おまえ、収録の最中だったんだろ?」

朱雀 「そうだ、しまった!?それじゃあオレ、帰るよ。
    なんか最後までよく分からなかったけど、とにかくこれ、ありがとう」

慧  「それでは3人とも、このあとも頑張れよ」




【キラキラ】




ラウル「いっちまったな」

悠人 「かっこいい女の人でしたね」

ラウル「そんなの慧姉だから当然だけど、たしかにそうだな」

修啓 「さて、ここまでの結果はどうだったかな?
   この続きはCMの後☆」

悠人 「これは何かのテレビ番組ですか!?」