ラウル「さてさて始まりました、
『つぶやきの塔』一周年記念企画キャラクター人気投票の結果発表でーすっ!!
司会は俺、皆のヒーロー、チャームポイントは赤毛☆のラウル・ウェルズと」
修啓 「実験なら僕にお任せ。天才サイエンティスト高槻修啓がお送りします」
ラウル「おまえは天才というか、マッドサイエンティストって感じだけどな」
修啓 「さてさてー、昨年の10月から今年の2月まで行った人気投票。
たくさんの投票ありがとうございましたー!」
ラウル「なんか流された気もするけど、まあいっか。
ホントにありがとうな、皆☆」
修啓 「誰に票が入ったのか、僕らも毎日ドキドキしながら見てたんだ。
でも、まさかこんな結果になるなんてね」
ラウル「そうだよな、柏緒も驚いてたぜ」
修啓 「とまあ、僕たちは結果を知っているんだけど、入賞者は結果知らないんだよね」
ラウル「だ・か・ら、これから突撃訪問して脅かしてやろうぜ!!って企画なわけ」
悠人 「はあ、まあ趣旨は理解できましたけど、脅かすって」
【沈黙】
ラウル「……はい?」
悠人 「あ、どうも」
ラウル「いやいや、どうもじゃなくて、あんた誰?」
悠人 「えっ、いや誰って!何、修啓さん説明してないの!?」
修啓 「ごめーん、うっかり忘れちった☆」
ラウル「だー!おまえが可愛い子ぶっても、可愛くもなんともねえ!
てか、いっそ気持ち悪いからやめろ!!」
修啓 「何言ってるんだい、失礼だな。こんなに眼鏡の似合う僕に向かって」
ラウル「眼鏡と可愛さ、関係ねえっ!!」
悠人 「あのー、そろそろオレの紹介を……」
修啓 「ああ、ごめんね。ラウルが馬鹿ばっかしちゃってさ」
ラウル「オレなのか!オレのせいなのか!!」
悠人 「……オレ、これからこの人たちとやっていけるのか?」
修啓 「とにかく、サクッと紹介して、サクッと先に進もうか。
彼は高2の悠人くん。『Little-boy Long Legs』の登場人物で、名字は」
悠人 「ああーっ!!それは言っちゃ駄目ですってば!ネタバレするって言ったじゃないですか!!」
修啓 「そういえばそうだったね。あっははー、ごめんねー」
悠人 「もう帰りたい」
修啓 「ほら、今回は僕らグリムだけじゃなくて、彼らも関係するからさ。
助っ人として呼んでおいたんだ」
ラウル「ああ、なーるほど。じゃあ悠人、今日は一日よろしく頼んだぜ。
オレはラウル・ウェルズ。18歳高3☆」
悠人 「……はい?すいません、もう一度いいですか」
ラウル「ん、今日は一日」
悠人 「じゃなくって、もっと後の!高3?嘘じゃなくて?」
ラウル「んー、何を失礼な。俺は正真正銘の18歳高3だぜ」
悠人 「嘘だろ、あの人と同い年……世界には知らないことがたくさんあるんだな」
ラウル「現実逃避するんじゃねえよ!!」
修啓 「まあ、ラウルが高3だってすぐにわかった方がおかしいでしょ。
ほら、二人とも遊んでないで、さっさと進めるよー」
ラウル「おまえにだけは言われたくねえよ!!」
修啓 「さて、最初のターゲットは……」
悠人 「いやいや、ターゲットって」
修啓 「おっと、いきなり二人いるね。じゃあ順番に召喚しようか」
悠人 「だから、召喚って何かおかしくないですか!!」
修啓 「それでは第7位、樹さん召かーん!」
悠人 「はいいぃぃいっ!?」
【爆発音】
樹 「……は?」
ラウル「あ、銀髪銀目のちょい悪そうなイケメン登場」
悠人 「よりにもよって……」
修啓 「はいはい、というわけで第7位、2票獲得の樹君でーす!!」
悠人 「こいつが第7位って、それでいいんですか!!」
ラウル「いや、俺に言われても」
樹 「おい、てめえ」
悠人 「うおっ!!いいい、樹!?」
樹 「ビビってんじゃねえよ。なんだここは。
てか、この赤毛のチビと変な眼鏡は誰だよ。説明次第ではただじゃおかねえぞ」
悠人 「えっとだな、これには深ーい訳があってだな」
修啓 「やっほー、はじめまして樹君!僕は天才サイエンティスト、高槻修啓だよー。
今回は第7位おめでとう!」
樹 「は?」
修啓 「いやあ、しかし健闘したよね。登場は一番遅かったのに第7位なんてさ。
やっぱりあれかな。君のかわいさが勝因だったのかな」
樹 「なっ!?てめえ、何気持ち悪いことを!!」
修啓 「まあ、落ち着いて落ち着いて。はい、これ」
樹 「なんだよ、それは」
修啓 「第7位の賞品だよ。たしか中身はロッ○の限定チョコレートだったかな」
樹 「ロッ○の限定チョコレートだと!?」
ラウル「あ、食い付いた」
樹 「はっ!ち、違うっ!違うからな!!オレはそんなもんほしくも何とも……」
修啓 「そうなの?それならこれは僕らで美味しく頂いて」
樹 「あ、待て!!」
修啓 「何?いらないんでしょ、君」
樹 「うっ」
悠人 「あー、樹。いい加減あきらめろよ?今更隠しても通用しないと思うぞ。
おまえ昔からロッ○のチョコレートには目がないだろ?」
樹 「て、てめえ、何適当なことを!!」
悠人 「うおっ、ちょい待ち!!首、首絞まってる!!」
樹 「てめえの首なんて知るか!!」
悠人 「少しは気にしろよ!!」
修啓 「君たち仲良しさんだったんだね☆」
樹 「適当なこと言ってんじゃねえよ!!」
悠人 「というより、助けてくださいよ修啓さん!」
ラウル「でも、ホントに仲良しに見えるぞ、おまえら。昔からの知り合いみたいだしな」
樹 「うるせえよ、チビ!!」
悠人 「樹、一応この人高3だから」
修啓 「とにかく、君チョコレート好きなんだろう?素直になりなよ。ね?」
樹 「っく、わかった、認めればいいんだろうが。
ああそうだ、オレはチョコレートが好きだ。なんか文句あるか」
修啓 「はい、よくできました☆」
樹 「くそ、これで気は済んだだろ。早くそれを寄こして帰らせろ」
【空振り】
樹 「てめえ、一体何のつもりだ」
修啓 「まあまあ、落ち着いて。このチョコレートはね、七位に入賞した君のために、
わざわざ特別に復刻してもらったものなんだよ」
樹 「だっから、何が言いたい!!」
修啓 「つまりはね、君に投票してくれた人に、
お礼のメッセージの一つや二つくらい残してもらわないとねってこと」
樹 「……帰る」
修啓 「いいの?これ本当にレアで、他では絶対に手に入らないよ」
樹 「……チッ、わかった。やればいいんだろうが、やれば!!」
修啓 「そうそう、偉い偉い」
悠人 「あの樹を言いくるめるなんて、修啓さんって」
ラウル「あいつの頭の中は俺でもわからねえから、気にしないほうがいいぜ」
樹 「あー、くそっ!その、なんだ。今回は、投票してくれて、サ、サンキューな。
これからも、その、応援頼む……」
修啓 「はい、よくできました☆」
樹 「くそ、オレにこんなことやらせやがって!!もうやったからな。
帰る、オレはもう帰るからなっ!!」
ラウル「ああ、おまえあれな。ちょっとカルシウム不足だな。
ほれ、これ賞品のチョコレートと煮干な」
樹 「にっ!?」
悠人 「ラウルさん、またこいつの神経を逆撫でするようなことを」
ラウル「あー、だいじょうびだいじょうび。この手のタイプ、身近にいるしさ
竹刀出てこないだけマシマシ☆」
悠人 「どんな人ですか、その人!!」
樹 「ちっ、もういい。帰るっ!!」
【地面を踏み締める大きな音】
ラウル「あーあ。帰っちまった」
修啓 「それでも、あの状態でチョコレートだけでなく煮干までちゃんと持って帰るなんて。
彼、案外律儀なんだね」
悠人 「まあ、見た目より律儀ではありますけど。
あいつをからかうのはホントに勘弁してください。オレの命が持ちません」
修啓 「まあ、終わったことは気にしないの。次行こう、次!」
悠人 「流さないでください!!」
ラウル「あー、そいつに一々突っ込んでると疲れるから、お勧めはしないぞ」
悠人 「オレだって好きで突っ込んでるわけじゃないですよ!」
修啓 「えーと、次は……。
うーん、これはここにいるメンバーだと迎えるのが難しいかもね」
ラウル「は?どういう意味?」
修啓 「うーん、そうだな。あ、そっか。そうしたらいいんだね。
さすが僕。大天才☆」
悠人 「あのー、自己完結しないで頂きたいのですが」
修啓 「それでは同じく第7位、紫藤朱雀さん召かーん!!」
【キラキラ】
朱雀 「えっ?」
慧 「ん?」
ラウル「け、慧姉!?」
悠人 「紫藤朱雀!?」
修啓 「朱雀さん、朝都隊長、こんにちは。お久しぶりです」
朱雀 「おかしい、オレは収録の最中だったはずなのに、なんでこんなところに。
夢か?本番で居眠りしちゃたのか、オレ!?」
慧 「朱雀、鬱陶しいから現実逃避をするな。
それで修啓にラウル。一体これはどういうことかな」
悠人 「それより、なんでこんなところに紫藤朱雀さんがいるんですか!?」
ラウル「あれ、悠人は朱雀兄のこと知ってるの?」
悠人 「あたりまえじゃないっすか!!紫藤朱雀といえば超有名人ですよ。
知らない方がどうかしてます」
朱雀 「なんだろう、夢の中なのにオレのこと褒めてくれてるよ。
でも、夢ってことはこれがオレの願望?うわー、複雑だ」
慧 「言葉を返すようだが、これは夢じゃないぞ。
どうやら私たちは特殊イベントのために、狭間の世界へ召喚されたようだな」
朱雀 「……おまえ真顔で当然のようにそういうこと言うなよ。
オレはこれでも一般人なんだからさ」
慧 「おまえは有名人だろ?な、ヘタレかっこいいの紫藤朱雀」
朱雀 「その呼び名はやめてくれ」
ラウル「なあ、おまえが慧姉呼び出したのって……」
修啓 「ああ、もちろんこのためだよ。さて本題に入ります。
朱雀さん。あなたはこの間行われた人気投票で、2票獲得して第7位でした。
おめでとうございます!」
朱雀 「……何の人気投票?」
修啓 「さて、細かいところは一先ず置いておいて」
朱雀 「細かくないよね。大事なところだよね!」
修啓 「もう朱雀さん。悩んだら負けです、禿げますよー」
朱雀 「禿げっ!?」
慧 「まあいいじゃないか、朱雀。せっかく7位になったんだ。
ここは素直に喜んでおけ」
朱雀 「慧……おまえ、楽しんでるだろ」
慧 「当然。こんなおもしろい事態を楽しまなくて、何を楽しむんだ?」
朱雀 「おいっ!!」
悠人 「朱雀さんって、本物もいじられキャラなんだな」
ラウル「テレビでもそうなんだ、朱雀兄」
修啓 「さて、このままだと収拾つかなくなりそうだし、そろそろ飽きてきたし、
まとめに掛かろうか」
悠人 「今、本音漏らしましたよね」
修啓 「それでは朱雀さん、投票してくれた方へのお礼のメッセージをお願いします」
朱雀 「やあ、こんにちは。紫藤朱雀です。オレへのファンレター、ありがとう。
すごく嬉しかったよ。まだまだ未完成なオレだけど、
これからも日々精進を目指して頑張るので、応援よろしくな」
ラウル「さすがスーパーアイドル。カメラ目線な上、慣れてるな」
修啓 「まあそういうことで、これは7位の賞品のロッ○の限定チョコレートと煮干です」
朱雀 「それは暗に、オレにカルシウムが足りていないってことかな」
修啓 「いえ、単なる余りものです」
悠人 「余りものだったんですか!?」
修啓 「ほら、細かいことは気にしちゃ駄目だよ。とにかく用はこれだけです。
朝都隊長もわざわざお呼び立てしてすいませんでした」
慧 「いや、久しぶりに朱雀で遊べたし、気にしてないよ」
朱雀 「慧!!」
慧 「おっと間違えた。朱雀と、だったな」
ラウル「相変わらず、慧姉の方が強いのな」
慧 「さあ、それでは帰ろうか。おまえ、収録の最中だったんだろ?」
朱雀 「そうだ、しまった!?それじゃあオレ、帰るよ。
なんか最後までよく分からなかったけど、とにかくこれ、ありがとう」
慧 「それでは3人とも、このあとも頑張れよ」
【キラキラ】
ラウル「いっちまったな」
悠人 「かっこいい女の人でしたね」
ラウル「そんなの慧姉だから当然だけど、たしかにそうだな」
修啓 「さて、ここまでの結果はどうだったかな?
この続きはCMの後☆」
悠人 「これは何かのテレビ番組ですか!?」