第一回キャラクター人気投票結果―5位―






修啓 「はいはーい、お待たせしました!結果発表再開だよ☆」

ラウル「ここまでの結果は7位紫藤朱雀と樹だったけど、予想は合ってたか?」

悠人 「……えっと、じゃあ次は5位の発表で」




【木の音】




修啓 「はい、カットカット!!悠人君、テンション低いよー」

悠人 「いや、高くしろって方が無理ありますから。てか、かちんこなんてどこから」

修啓 「さてさて、早速第5位の発表に移ろうか!」

悠人 「あのー、スルーしないでくださーい」

修啓 「5位は……おっと、これまた2人いるね。じゃあ、お楽しみは後に取っておいて」

悠人 「お楽しみって何なんすか!?」

修啓 「それでは一人目の発表だよ☆」

悠人 「もういいです」

ラウル「なんかおまえ、どんどん残念ポジションに嵌まってくな」

修啓 「それでは5位、イヴァ・ラッセル召かーん!!」




【風音】




イヴァ「……へ?」

悠人 「よかった、普通の人っぽい(見た目が)」

修啓 「やっほーイヴァくん!狭間の世界にようこそ☆」

イヴァ「修啓先輩にラウル先輩まで。それに、えっと……」

悠人 「あ、はじめまして。オレは悠人っていいます」

イヴァ「俺はイヴァ・ラッセルです。はじめまして。
    で、あんまり聞きたくないんですけど、何なんですか狭間の世界って」

修啓 「ふっふっふっ、よくぞ聞いてくれました」

イヴァ「あ、もういいです。なんか聞いちゃいけない世界だってのは十分、
    よーくわかりましたから」

修啓 「えー、聞いてくれよー」

イヴァ「嫌ですよ。先輩が俺のこと『イヴァくん』っていう時は、
    大抵ロクなことじゃないんですから」

悠人 「……すごいですね、イヴァさん」

イヴァ「あはは、まあこの人と10年近く付き合ってたらね」

ラウル「それにしても、5位はイヴァか。うん、なんかすごく納得」

イヴァ「は?5位?」

ラウル「あ、人気投票の結果。イヴァは4票獲得で5位だったの」

イヴァ「人気投票って何ですか」

ラウル「あー、それはだな、うん。まあ大人の事情ってことで聞かないで」

イヴァ「まあ、ラウル先輩がそう言うなら聞きませんけど」

修啓 「ぶー、イヴァってばラウルには優しいなんて贔屓だー!」

イヴァ「俺が先輩に優しくしても気持ち悪いだけじゃないですか」

修啓 「まあ、それもそうなんだけどね」

悠人 「すごい、会話が成立してる」

ラウル「あいつら、兄弟弟子だからな」

悠人 「へえ、そうなんですか」

修啓 「それにしても、イヴァって意外にラブコールが多いよね」

ラウル「えっ、そうなん?」

修啓 「うん、見てみる?」

ラウル「おう!!」

悠人 「オレも見たいです」




【沈黙】




ラウル「あー、これは」

悠人 「なんというか」

イヴァ「な、何なんですか!その反応は!?」

修啓 「僕がこれを見たときの気持ちがわかるでしょ?複雑だよね。喜んでいいのか、なんなのか」

悠人 「この○○さんってイヴァさんよりイイ男なんですか」

イヴァ「○○!?先輩、どういうことですか!?」

修啓 「えーと、簡単に言うと『本命は○○くんだけど、イヴァくんも好き!』とか
    『イヴァ兄さん(場の盛り上げのために)がんば☆』みたいな感じかな」

イヴァ「全然喜ばしくないじゃないですか!!」

悠人 「で、○○さんって」

ラウル「ああ、オレの弟弟子で、超短気な超美青年」

悠人 「超短気ってどうなんですか」

ラウル「まあ、色々と難ありだけど、根はいいやつよ」

悠人 「あのー、色々が気になるんですけど」

修啓 「話が逸れたけど、君が一番好きって言ってくれた人が4人もいるなんて、
    喜ばしいことじゃない?ってことで受賞のあいさつしてね」

イヴァ「無理やりまとめましたよね、今。とにかくどんな方にあいさつすれば良いかだけでも
    教えてくれないと、何を言っていいものなのか」

修啓 「君の活躍を陰から見守ってくれてる人たち」

イヴァ「また抽象的な。はあ、わかりましたよ。やればいいんでしょう」

修啓 「あ、敬語じゃなくて、お兄ちゃんな感じでよろしくー」




イヴァ「ったく、注文が多いっすね。えっと、おはよう、イヴァ・ラッセルだ。
    今回は俺なんかを好きって言ってくれてサンキューな。
    正直俺なんかのどこがよかったのかって思うけど、純粋に嬉しい。
    戦士としても医者としてもまだまだ未熟な俺だけど、頑張るからな」




ラウル「うわ、普通にかっこいいとか反則じゃね!?」

悠人 「いや、オレとしては戦士ってあたりが気になるんですけど。
    医者ならわかるけど、イヴァさん何者なんですか」

イヴァ「まあ、軍医みたいなものって考えてくれたらいいよ。
    それより、悠人は高校1年生?」

悠人 「あ、いや、オレは高2です」

イヴァ「なんだ、やっぱりそうなんだ。なら敬語とか『さん』付けとか要らないから。
    同い年なんだし」

悠人 「……え?ええっー!!」

イヴァ「あー、まさかとは思うけど、年上だとか思われてた?」

悠人 「え、同い年って高2!?で、でも軍医って……」

イヴァ「まあ、確かに特殊な高2ではあると思うけど、ちゃんと16歳だから
    俺、この人たちのこと先輩って呼んでたろ?」

悠人 「そ、そういえば。ごめん。てっきり20代前半くらいかと」

イヴァ「にじゅっ!?俺って、そこまで老けて見えるんだろうか」

悠人 「ああ、ごめんイヴァ!でも、良い意味だから。大人っぽいし、頼れそうだし!」

イヴァ「いいんだ、慣れてるから」

修啓 「そういえばイヴァ、志紀ちゃんにも年齢詐欺だって言われてたっけ」

イヴァ「なっ!?気にしてるんだから、言わないでください!!」

悠人 「もしかして志紀ちゃんって」

ラウル「そう、イヴァの好きな女の子」

悠人 「あー、それはきついなぁ」

修啓 「ほら、まあ落ち着きなよ。カルシウム足りてないよ。はい、煮干あげる」

悠人 「まだあったんすか!?」

修啓 「まだまだあるよ☆で、忘れてたけど、これが5位の景品ね」

イヴァ「これってコーヒーメーカーと」

ラウル「DVDか?」

修啓 「うん、DVDだよ。ってことで、早速中身を見てみよう!!」

悠人 「え、修啓さん中身知ってるんじゃ……」

修啓 「いや、晏先生に一任したからね、知らないんだ☆」

イヴァ「って、何平然と先生巻き込んでるんすか!?」

修啓 「えー、だって晏先生も君の入賞は喜んでたしー」

イヴァ「だからって……」

ラウル「まあとにかく、見てみようぜ。俺も中身気になるし」

悠人 「いつのまにテレビとDVDデッキが」

ラウル「じゃあ、再せーい!!」



?? 『え、イヴァが人気投票で5位?何の人気投票かはわからないですけど、すごいですね!』



イヴァ「し、志紀!?」

悠人 「ああ、イヴァの好きな子っていう?」

ラウル「そうそう。へえ、晏先生も粋なことしてくれるね」



志紀 『私がお祝いのメッセージですか?でも、私なんかがいいのかな』

晏  『もちろんですよ。イヴァくんもきっと喜んでくれますよ』

志紀 『そうですか?それなら。


    イヴァ、5位おめでとう。私もとっても嬉しいです。
    それだけ沢山の人が、イヴァの素敵なところをわかってくれてるってことだもんね。
    いつもイヴァには助けてもらってばかりで、本当に感謝してます。
    イヴァの優しさや強さ、すごいなって思うし、私も見習いたいです。
    あと、いつも美味しい飲み物を淹れてくれてありがとうね。
    また一緒にお茶したいから、時間空けておいてね。
    本当におめでとう。大好きなイヴァへ。桐堂志紀でした』





イヴァ「……」

ラウル「さすが志紀。色々と入ってるな」

悠人 「いいな、性格の良さそうな可愛い女の子。オレの周りはアレだしな」

修啓 「あー、イヴァってば顔真っ赤☆」

イヴァ「い、言わないでくださいよ!俺が、一番わかってるんすから……」

修啓 「おや、これはこれは」

ラウル「おまえ、本当に志紀のこと好きなのな」

イヴァ「ううっ。だ、だって、志紀のやつこんなにかわいいから……」

ラウル「おおっ、直球きたー!!!」

修啓 「ううーん、やっぱり若いっていいね」

イヴァ「一つしか変わらないでしょうが」

修啓 「えー、だって僕には、無理だよ。
    好きな子のためにインスタントコーヒーしか淹れられないところから
    徹夜で特訓して、飲み物マスターと呼ばれるまで上達しちゃうなんてさ」

イヴァ「ブッ!?な、なんでそのことを先輩が!?」

修啓 「僕に隠し事なんて出来るはずがないじゃん☆」

ラウル「イヴァ、おまえそんな努力まで(ほろり)」

悠人 「本当にさっきの子のこと好きなんだな」

イヴァ「ま、まあ確かに、好きなのは否定しないけど……」

ラウル「うわあ、ここまで好かれてるのに、志紀まったく気づいてないんだろうな」

修啓 「まあ、志紀くんも鈍々の実食べちゃた子だからね。
    じゃあ次もあるし、そろそろ終わろうか」

悠人 「珍しく修啓さんがまともだ」

イヴァ「そうですね。俺も研究が残ってますし、そろそろ帰らないと」

ラウル「じゃあ、これ。さっきのDVDな。大切にしろよ」

イヴァ「あたりまえじゃないですか。それじゃあ、祝ってくれてありがとうございました」

ラウル「いやいや。これも仕事のうちよ」

イヴァ「悠人も、わざわざありがとうな」

悠人 「オレ、イヴァに会えてよかったよ。楽しかったし」

イヴァ「俺が5位ってことは、まだ続きがあるんだろうけど、先輩たちのことよろしくな。
    あんな滅茶苦茶な感じだけど、あれでいて本当はいろんなことを
    考えている人たちだからさ」

悠人 「まあ、そうなんだろうな。できる限り頑張ることにする」

イヴァ「ありがとう。それじゃあ先輩たちも続き頑張ってください」




【風音】




ラウル「行っちゃったな」

悠人 「行っちゃいましたね。しかし2人とも、良い後輩持ちましたね」

修啓 「当然でしょ。イヴァは僕の自慢の弟弟子なんだから」

ラウル「イヴァは本当にイイ奴だからな。あ、でも、俺の弟弟子だって負けてないぜ!」

悠人 「それってさっき言ってた、色々難ありの美青年ですか」

ラウル「そうそう。たしかに素直じゃないけどさ、実はすげえ仲間想いなの」

悠人 「そうなんっすか」

修啓 「さて、じゃあそろそろもう1人の5位に移ろうか」

ラウル「お、そうだな!で、誰なんだ、もう1人の5位って?」

修啓 「ふっふっふっ、よくぞ聞いてくれました!」

ラウル「し、修啓?」

悠人 「なんか嫌な予感がするのはオレだけなのか」

修啓 「聞きたい?聞きたいよね!それでは紹介しよう!!
    もう1人の第5位、僕の愛しの琉聖雅!カモーンっ!!!!」




【琴の音】




聖雅 「あ?」

修啓 「聖雅ー!!!ゴフッ!!」

聖雅 「寄るな喋るな見るな、この腐れ眼鏡め」

修啓 「そんなデンジャラスな聖雅もすてきだよvv」

聖雅 「一回死んでこい」





悠人 「……あれは一体」

ラウル「あー、また始まっちった。ごめんなー悠人。あれが普通だからあんま気にすんな」

悠人 「いや、気にすんなって。てか、愛しの聖雅って、えっ男性ですよね!?」

聖雅 「ん、ラウルに、なんだおまえ。初めて見る顔だな。なんだこのむさ苦しい空間は」

悠人 「むさっ!?」

聖雅 「くそっ、忌々しい。しかもよりによって、眼鏡バカと怪力バカとか」

ラウル「まーそんなに怒んなって」

聖雅 「これが我慢できるか!こんな、男ばかりで息苦しい。
    会長でもレイナでも志紀でもいいから、可愛い女の子を出せ」

ラウル「おまえ、ほんとに男嫌いの女の子好きなのな。
    いつも言ってっけど、マジで嫁の貰い手なくなるぞー」

悠人 「嫁!?」

修啓 「大丈夫!これが聖雅の可愛いとこだし、僕はどんな聖雅でも愛し続けるから☆」

聖雅 「キモイ!!」

悠人 「あああ、あの、ラウルさん。聖雅さんって……」

ラウル「ん?正真正銘の女の子だよ。琉聖雅、僕らと同い年で、高3トリオの一人」

聖雅 「私はおまえたちとトリオを組んだ記憶などない!!」

修啓 「もう、聖雅の恥ずかしがり屋さん☆」

聖雅 「黙れ腐れ眼鏡!!」

悠人 「あのー、そろそろ本題に入りませんか?」

ラウル「それもそうだな。おーい、修啓に聖雅。ちょいストップ」

聖雅 「なんだ怪力バカ」

ラウル「怪力バカって。まあ、否定はしねーけどさ。
    でも聖雅だって早くこの空間出たいんだろ?ならそろそろ本題に移らねえ?」

聖雅 「……それもそうだ。仕方ない。おい修啓、私に何の用だ」

修啓 「えーもう終わり?」

ラウル「後も詰まってるし、ちょっと巻く必要あるだろ」

修啓 「まあ、それもそっか。わかった。じゃあ進めよう。
    えっとね、聖雅。今回僕たちが君を呼びだしたのは、結果発表のためだったんだ。
    前にキャラクター人気投票をやっていたのは、知ってるよね?」

聖雅 「ああ、あれか。興味がなかったから放置していたが、あれがどうかしたか」

修啓 「その人気投票で君が4票獲得して第5位になったってことで、そのお祝いだよ。
    さすが、僕の愛しの聖雅!その魅力は多くの人を魅了して……」

聖雅 「黙れ。警察にストーカー被害出すぞ」

修啓 「あはは、怒っちゃいやん」

悠人 「と、とにかくですね。おめでとうございます、聖雅さん!」

ラウル「悠人?」

悠人 「だってこうでもしないと、永遠に帰れなくなりそうじゃないですか」

ラウル「ああ、なーるほど。ほら修啓、ちょいストップ。
    とにかく聖雅、おまえ投票してくれた人にお礼の挨拶ぐらいしろよ」

聖雅 「それはわかってる。私はそこのバカと違って、そこまで礼儀知らずではないからな」

ラウル「修啓も愛が暴走してるだけだって。許してやってよ」

聖雅 「これを暴走で片づけていいのか!?
    だいたい、おまえはいつもこのバカに甘すぎる」

ラウル「俺的には、聖雅が厳しすぎるような気も」

修啓 「止める必要はないよ、ラウル」

ラウル「修啓」

修啓 「だって僕は、聖雅に怒鳴られることも好きなんだから☆」




【沈黙】





聖雅 「キモッ!」

ラウル「修啓、おまえそこまで変態……」

悠人 「ほ、ほら聖雅さん、入賞コメントお願いします!!」

ラウル「必死だな、悠人」



聖雅 「気色悪い光景を見せてしまって悪かったな。人気投票では私に投票してくれてありがとう。
    特に可愛いお嬢さんだったなら嬉しいな。ああ、もちろん女性は皆大歓迎だ。
    男は……まあ仕方ない、お礼を言ってやろう。
    だが、くれぐれも眼鏡バカのようにはなるな。捕まるぞ。
    見習うなら、そうだな。ハルのような大人で……いや、失敬。気にするな。
    とにかく、感謝する。これからも私の活躍を見ていてほしい」



ラウル「おまえなあ。お礼なのか何なのかよくわからねえぞ」

修啓 「さすが聖雅。素敵なコメントだよん!!」

悠人 「修啓さん、あれだけボロクソ言われたのに」

聖雅 「さあ、これで私の仕事は終わりのはずだ。さっさと帰らせてもらおうか」

ラウル「あ、賞品だけ渡すから、ちょっと待て。えっと、これだこれだ」

聖雅 「なんだ、薔薇柄のティーセットか。趣味がいいな。誰が選んだ?」

ラウル「修啓」

聖雅 「……帰るか」

ラウル「おいおい、スルーするなよ。って無視するなあ!!」

悠人 「聖雅さん行っちゃいましたね」

修啓 「いいんだ。お礼なんか言われたら聖雅じゃないよ。
    それと、悪いんだけど、少しの間ここを任せてもいいかな」

ラウル「なんだいきなり。まあ、構わねえけどさ。どうしたん?」

修啓 「いや、聖雅に渡し忘れたものがあってね」

ラウル「渡し忘れたもの?」

悠人 「なんですか、渡し忘れた物って」

修啓 「ああ、煮干☆」

悠人 「まだ引きずってるんすか!?」

ラウル「また怒らせに行くようなことを」

修啓 「それじゃあ、よろしく頼んだよ!!」

悠人 「修啓さん!?……行っちゃいましたね」

ラウル「まったくあいつも、損な奴だよな」

悠人 「え?」

ラウル「いや、なんでもないぜ。さて、俺たちは次の賞品の準備でもしてるか」

悠人 「はあ、わかりました」




……………………………………




修啓 「聖雅!!」

聖雅 「おまえって奴は性懲りもなくーっ!」

修啓 「ほら、そんなに、怒らないで。今度は、真面目な、話、だからっ」

聖雅 「ん、珍しいな。おまえが息を切らしているなんて」

修啓 「君は、足が、速いからね。はあー、疲れたー」

聖雅 「スタミナ不足だ。自業自得だろ」

修啓 「いや、君を基準にされるとなかなか辛いからさ。さて、本題に移ろうか」 

聖雅 「この後に及んで何の用だ」

修啓 「まあ落ち着いて。はい」

聖雅 「なんだ、この花束は。これはブルーローズの蕾か。まさかおまえが!?」

修啓 「いや、今回は残念ながらそうじゃないんだ。これは預かり物」

聖雅 「預かり物だと?誰からの」

修啓 「中を見てごらん」

聖雅 「中?ん、メッセージカードか。……これは」



『おめでとう、聖雅
 愛してますよ  H』



聖雅 「まさかそんな、ハル……」

修啓 「今朝、僕の部屋に届いていてね。君は知ってるかい?この花の花言葉を」

聖雅 「花、言葉……?」

修啓 「ああ。薔薇の蕾は『愛の告白』、
    ブルーローズには『神の祝福』『奇跡』って意味があるんだよ。
    きっとハルは、君の入賞を聞いて僕のところに置いて行ったんだと思う」

聖雅 「……」

修啓 「まったく、勝てないよね。ハルには。
    いつも、君の心を持って行ってしまうんだからさ」

聖雅 「修啓……」

修啓 「ほら、泣かないで聖雅」

聖雅 「……ありがとう、修啓」

修啓 「うん、どういたしまして」

聖雅 「ティーセットも、好きだった」

修啓 「うん、わかってるよ。ほら、おいで」

聖雅 「おまえ……」

修啓 「今だけは、僕の胸で泣きなよ。濡れてもいいからさ」

聖雅 「……大馬鹿野郎」

修啓 「知ってる」